
呼吸の改善
運動の限界を決めるのは、筋疲労ではなく息切れです。そのため体を適切に動かしパフォーマンスを向上したいなら、一番大切なのは効率的な呼吸を確保することになります。
呼吸は、呼吸のしやすいポジションに骨格が位置していないと正常に行うことは困難なため、呼吸を改善していくためには、呼吸をしやすいポジションをアシストしてくれる筋肉を働かせながらエクササイズを行なっていく必要があります。
呼吸で主に働く筋肉は、横隔膜・腹筋群などが挙げられますが、その呼吸を促してくれる筋肉は前鋸筋・上腕三頭筋・僧帽筋下部・骨盤底筋郡・臀筋郡・内転筋郡・ハムストリングスなどがあります。
逆を言えばこれらがうまく働いていないと呼吸が安定せず、結果姿勢不良や動作不良にもつなが理やすいというわけです。
呼吸エクササイズでは、上記で伝えた呼吸のアシストをしてくれる部位を活性させながら行なっていくことで、呼吸の精度を上げていきます。
呼吸の基礎エクササイズ
ビ ュテイコ呼吸法
呼吸が整っていない場合は、一般的には体の緊張により過呼吸状態になっている場合がほとんどです。ストレスなどの要因ももちろんありますが、アスリートの場合は筋疲労や動作不良も呼吸の質を低下させてしまいます。
体に取り込む酸素の量が多いことは一見良い事のように感じますが、健康状態やパフォーマンスを向上させるためには呼吸量を減らすことが必要になります。たいていの方は適正量の2〜3倍は多く呼吸していると言われています。以下の項目をチェックしあてはまる場合は呼吸過多の傾向があると言えます。
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日常生活で口呼吸をしていることがある
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眠っているときに口呼吸をしていることがある(朝起きたときに口の中が乾いている)
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眠っているときにいびきをかく、または呼吸が止まる
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自分の呼吸を観察したとき、お腹の動きよりも胸の動きのほうが大きい
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慢性的なため息
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安静時に自分の呼吸音が聞こえる
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鼻づまり、倦怠感、ふらつき、めまいなど、呼吸過多が原因と考えられる症状がある
まずは、呼吸そのものにアプローチして、呼吸の吸いすぎを抑制します。最初は難しいかもしれませんが、丁寧に正確に行なうことでしっかりと効果を発揮できます。またトレーニング時のベースの呼吸となります。
チャイルドポーズ
背部の緊張が起きない姿勢で呼吸へのアプローチを行います。
まずは背筋に力が入らない(身体を反れない)姿勢を取って呼吸をします。この姿勢は息が吸いづらく、吐きやすい状態になります。普段から息を吸いすぎてしまう方はこのようなポジションでの呼吸エクササイズが有効と言えます。
ブリージング 90/90ヒップリフト
90/90ポジションでの呼吸は、腹筋群・ハムストリングス・殿筋群に刺激を入れながら呼吸を行ないます。適切な姿勢保持や歩行ではもちろんですが、腹部と大腿部を同時に使うことはダンサーにとっての基本の土台でもあります。内腿・もも裏は機能していても腹部と同時に使えていないケースは非常に多く、反り腰がその代表です。このエクササイズで同時に活性を行なっていきましょう。
ブリージングキャットポジション
キャットポジションは、チャイルドポーズなどと違い股関節が自由に動く位置にいます。90/90ヒップリフトでのもも裏と腹部を思い出し、骨盤の安定も意 識しましょう。今までのエクササイズ同様、背中の緊張を出さずに、腹筋・前鋸筋を働かせながら呼吸を行ない、深い呼吸を促します。
強度も少し上がりますので、呼吸の吐く力などを感じやすくなるエクササイズであり、肩・肩甲骨の安定性にも寄与します。
コントラクション
踊りにおけるコントラクションとは「引き延ばす」という意味でジャズダンス・コンテンポラリー・グラハムメソッドなど様々なジャンルで行われる動作になります。バレエではあまり聞きませんが、ネオクラシックの作品ではコントラクションのような動きも入ってきます。これは背骨を引き伸ばす動きであり、それを考えれば「カンブレ」と同様に非常に重要な動きであり、ダンサーとして必ず身につけたい基本のスキルでもあります。
頭・胸郭・背骨・骨盤の位置に注意し、体全体を適切にコントロールします。各部の位置が適切であれば地面からの反発で背骨の伸びをイメージすることができます。
正しく深い呼吸ができるポジションこそ、各部位が適切に機能しているポジションになります。
今までのエクササイズ同様にこの立位のポジションで適切な呼吸を促せるようエクササイズを行なっていきましょう。壁などの支えなく行えるのが目標ですが、難しい場合は動画のように壁を使い練習してみてください。
これらのエクササイズは、簡単なものから載せています。実践してみてうまく行えなければ一つ前のエクササイズに戻るなど順を追って行なってみてください。
また、ダンサーの場合は無論強度の高いトレーニングで呼吸の安定を発揮させないといけません。呼吸が安定し、これらのエクササイズが適切にこなせるのであれば、日常の中、または難易度の高いエクササイズの中に取り入れていきましょう。身体機能の改善には歩行やたっている状態で行えること。パフォーマンス向上では難易度の高いエクササイズや、踊りの中で行えること。などが目指すべき課題となります。